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2025年のガレット・デ・ロワ

  • bongout7
  • 2024年12月20日
  • 読了時間: 8分

1月限定のご予約販売「ガレット・デ・ロワ」のご案内です。

ガレット・デ・ロワとは何ぞや?

という初めての方に過去のブログ記事にて説明した内容を改めて記させていただきます。

知っとるわい。毎年毎年しつこいなあという方はギュイーンと下の方の大文字になっているあたりまでスクロールをどうぞ。


いちいち歴史とか知らずに食べても罰が当たるわけでもないし美味しさが損なわれるわけでもないのですが、知った方がガレット・デ・ロワがただのお菓子にとどまらず歴史の長い文脈の中のたくさんの人々の文化や風習や物語の一端に触れる入り口になると言いますか、想像力がたくましくなって良いと思うのです。


ではガレット・デ・ロワのお話に入りましょう。


キリスト教では、12月25日にイエス・キリストが誕生したとされています。

その12日後の1月6日に東方三博士がイエス・キリストの元に現れイエスの存在が他者に顕かになりました。

その日を公現祭として祝い、その際に食べるお菓子がガレット・デ・ロワです。


占星術の学者とされる東方三博士は星に導かれてイエスの元にやってきました。

その際、乳香、没薬、黄金をイエスへの贈り物として捧げました。


乳香は樹脂なのですが、お香として使われたり漢方薬などにも用いられるものでアロマに詳しい方にはフランキンセンスというと分かるかもしれないです。

リラクゼーションや鎮静作用もある物です。


没薬も樹脂で、お香に使われますが、殺菌作用も高く、鎮静薬や鎮痛薬に用いられたり、ミイラ作りにも使われている物です。


黄金は金ですね。王位の象徴とされており、黄金を捧げイエスが王となる存在であるという事を示したとされています。


それらの贈り物をイメージして14世紀ごろから作られはじめたのがガレット・デ・ロワです。

何がどうしたらこのようなパイになるのか、最初からこの形だったのか、誰が開発したのかなどの細かい経緯までは不明です。

バターもアーモンドもたっぷりですから芳醇で香り高く、乳香や没薬の香りを表したのではないかと思われ、

また、ガレットという形は薄い円盤状のもののことを指しますのでこんがり艶よく焼かれた様は金貨のようなイメージもあるのかもしれません。

ガレット・デ・ロワのロワは王様を意味しまして、これは黄金を捧げられ王と認められたイエスの事ですね。

つまりガレット・デ・ロワはイエス・キリストのガレット。


とてもざっくりしたご説明で私個人の勝手な見解も入っておりましたので、深堀りしたい方はぜひ個々にお調べください。


ガレット・デ・ロワとほぼ同じようなパイ菓子でピティビエというものがあり、こちらはピティビエという街で誕生したもので、ガレットよりもふっくらと高さを出して焼き上げます。フランス菓子に興味があればこちらの歴史も調べるとおもしろいのですが割愛。



日本人が大好きな楽しい要素としまして、ガレット・デ・ロワはゲーム的な遊びがございます。

それは、フェーブと呼ばれる陶器の小さな飾りをガレットの中に埋め込みまして、切り分けて食べたときにフェーブが入った一切れを食べた人がその日は王様になれるというものです。

このようにフェーブには様々な形のものがあります。

フェーブというのはそら豆の意味でして、元々はそら豆を入れていたらしいです。


何がどうしてフェーブを入れることになったのかは諸説ありまして、一つはそもそも古代ローマ時代の頃からパンや菓子などにフェーブを入れ、それをくじ引きにして長を決めるというようなことを政治や地域のコミュニティの場などでよくやっていたらしい、それが時を経てガレット・デ・ロワにも取り入れられたらしい、という説など。

まあ、これも気になる方は個々に深堀りしてください。

そして新たな情報が手に入りましたら教えていただきたい。


ガレット・デ・ロワというものはどのようなものなのかなんとなくでもご理解いただけたでしょうか?


ではここからガレット・デ・ロワはどのように作られるのでしょうか?

お菓子自体のお話に入ります。


ガレット・デ・ロワはとてもシンプルなパイ菓子です。

パイ生地にアーモンドクリームを詰めて焼き上げるだけ。

とてもとてもシンプル。

シンプルですが材料は贅沢、そしてシンプル故に全くもって素材にも腕にもごまかしがきかない逃げも隠れもできない直球勝負のお菓子なのです。


まずはパイ生地。

クロワッサンの作り方とまあまあ似ております。

デトランプと呼ばれるバターを包む生地を作ります。

この後、何度も伸ばして折り込む作業を繰り返しますので、最初から捏ねすぎるとグルテンが発達しすぎて伸ばす作業の妨げになります。

生地全体が均等な状態になるよう捏ねるけども捏ねすぎないという絶妙な匙加減が求められます。


そして生地に折り込むバターをシート状に伸ばします。

バターは20℃を超えますと柔らかくなりますので、20℃以下の室温で作業をしております。

今の時期はオーブンを消せば15℃くらいまで一気に下がりますので問題はないのですが、冷えすぎてもバターが硬すぎて割れてしまい、このように冷えているのにしなやかという状態に伸ばすことが困難。

バターは温度にデリケートなのです。


デトランプを伸ばしてバターを包んでいきます。

きっちりと包み込みます。

伸ばします。

生地を3等分にする箇所を折りたたみます。(三つ折り)

もう一度伸ばして折り込んで、グルテンを落ち着かせるために30分から1時間ほど休ませます。

このように三つ折りを6回繰り返してパイ生地が出来上がります。

3の6乗ですのでバターが729層に。


中身のアーモンドクリームはアーモンドの粉をたっぷりと使います。

フランス菓子はとにかくアーモンドを多用します。

丸ごとホールのまま、ダイスカットにしたり、スライスしたり、粉にしたり、ペーストにしたり。

和菓子でいう小豆みたいな存在です。

バター、卵、お砂糖とこのアーモンドを同量ずつ混ぜ合わせたものがアーモンドクリーム。

黄身あんみたいな感じです。


丸く抜いたパイ生地にアーモンドクリームをたっぷり山盛り乗せ、もう一枚のパイ生地をかぶせて周囲を閉じます。

そして表面に艶出し用の塗り卵をして、模様を刻みます。

オーブンでじっくりと焼き込んでいきます。


こんがりと色づいたところで取り出し、粉糖をまんべんなく振りかけます。

再びオーブンへ入れて表面をキャラメリゼします。

これで完成です!

パリッパリに焼けたパイにナイフを入れますと、中はしっとりほっくりとしたアーモンドクリームが。

さて、フェーブはいったいどこに?

本当はアーモンドクリームに埋め込んで焼かれるべきなのですが、

食品ではないものを食品の中に入れて販売することは食品衛生上やっちゃダメということで、別添えになっております。

お引き渡し時にくじ引きのような形で選んでいただいてます。

それを各々の判断で飲み込む危険のないように注意していただいて埋め込んで楽しんでいただくようにお願いしております。


どのようにするのかと説明しますと、

まず人数分にカットします。

そのうちのどれかひとつを裏返します。

そしてフェーブを底から押し込みます。

表に戻せばもう見た目にはフェーブが入っているかは分かりません。


じゃんけんなどして順番に好きなカットを選んで、いただきましょう!

フェーブが入ってたカットを選んだ人が王様!

王冠をかぶって楽しく過ごすべし。


以上がガレット・デ・ロワとは、でした。


それではご予約の詳細に入りたいと思います。


ガレット・デ・ロワ(直径18㎝丸) 1台 2,500円税込

※王冠とフェーヴがセットです。


ご予約は店頭またはお電話(047-409-8660)にて、営業時間内で承ります。

SNSなどでは受け付けておりません。


1月5日から1月31日までの営業日(火曜水曜以外)でしたらどこでもご予約可能です。

ご予約は3日前までにお願いいたします。

年内12月31日まで営業し、お正月休みは1月1日から4日までいただきますので、1月5日・6日のご予約は2024年内にお早めにお願いします。


いつも気になっているけれど予約販売のみでホールのみというハードルの高さによって手を出せずにおりますというお客様もたくさんいらっしゃることは重々承知です。

そりゃ分かりますよ私だって独り者で生活時間帯が狂ってるし性格も難があるので交友が薄く年末年始にパーティーなんて予定した事ない人間ですからホールでケーキのようなものを買うという行為にはそびえたつ高く堅牢な壁が存在することくらい。

ただしかし、長々とご説明しました通りの成り立ちのお菓子のためこのような販売方法となっていることをご了承いただけますと幸いです。

これを機に集いを企画してみるのもいかがでしょうか。


2025年もガレット・デ・ロワをたくさんの方に楽しんでいただきたく、準備を整えております。

ご予約検討いただけますよう、どうかよろしくお願いいたします。




週5日は日光に当たる事が皆無のため(日が昇る前に家を出、日が沈んでから帰るので)、定休日はなるべく日に当たりたい。

当りすぎて冬なのに日に焼けてしまいました。

加減が難しいです。


〆はこちら

2024年残り僅か走り抜けたいのに失速しそう、、な気持ちの時にシャキッとする一曲。



 
 
 

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